今年もお仕事をご依頼いただいたお客様、地域の皆様、そして、業界と私たちに関わる皆様、本当にありがとうございました。皆様のおかげで、無事に1年を終えようとしています。改めて感謝を申し上げます。
この1年、特に記憶に残ったことを振り返りたいと思います。
横浜市内とは思えない深い森の中の一戸建て新築現場。吹き抜けのリビングと隣にある家事室の和室。絶妙な設計でした。雪が降る寒い時期の施工でしたが、周囲の自然のおかげか、気持ちよくお仕事をさせていただきました。
ビルに囲まれた広い敷地の一戸建ての全改装現場。お客様のこういう家に住みたいという気持ちを共有させていただき、ご満足の完成でした。近年では珍しい全居室と通路がカーペットのグリッパー施工。
カーペット仕上のやさしい歩行感と吸音効果を再認識しました。
オフィス街の一角にある、お酒がメインの飲食店。濃い色、濃い色と攻めました。天井と壁はブラック。床はダークグレーの石目調フロアタイル。カウンタートップもブラック。ショーケースもダイノックシートでブラック。曲面加工が多く、苦労した現場でした。
襖は例年通り、越前和紙をはじめ、四国の土佐紙、広島の和紙などいろいろ張らせていただきました。和紙の良さは、風合いは当然のことながら、張り上がり当初の鮮やかさから年を追うごとの変化を楽しめます。綿、麻、葛、芭蕉などの紗織は紙と比べて丈夫で、それぞれ個性のある風合いが魅力です。
障子紙は常時6種類を用意しています。お勧めは張替えの面倒を考えなければ、昔ながらの和紙です。障子がフィルターの役目をして、部屋の空気をきれいに保ちます。また、障子の良さは何を言ってもやさしい光です。
表装では、蔵の整理で出てきた江戸時代と思われる掛軸の仕立て直しから、展覧会出品用作品、個人、法人様の仕立て等、近年で最大数のお仕立てをさせていただきました。
お請けした際に基本的には古来からの形式で仕上がりを進めて参りますが、「ここをちょっと長めにしてほしい」、「こういう形にしてほしい」などお伝えいただければ、できる限りご要望にお応えします。
掛軸、額、屏風と衝立は和室、床の間だけではなくて、玄関、廊下、リビングにも掛けられますし、海外へお持ちのお客様もいらっしゃいます。
遠慮なくご相談ください。
業界では弊社は神奈川県表具経師内装協同組合に加盟し、その上部に中央ブロック(関東甲信越、一都九県)、さらに全国があり、伝統技能の継承から新しい素材や施工法の研究など、技術の向上を目的に活動しています。中央ブロックには若手を中心とした「魁委員会」があり、今ではSNSを利用して、些細なことでも相談しあえる会に成長しました。公に全員が集うのは年1回ですが、時代の道具インターネットを良い意味でフル活用した1年でした。
平成最後の大晦日。振り返れば激動の平成でしたね。
来年は、身近なところで消費税の増税、キャッシュレスの促進。地球上の人間のみならず、生きとし生けるもの全てが、互いに尊重して平和で安心、安全な日々を送れる1年になりますように祈念いたします。